シロアリを防ぐための具体的な対策方法|シロアリの侵入方法も解説

シロアリは、自然界では「森のお掃除屋さん」とも呼ばれる益虫ですが、建物に深刻な被害を与える害虫として知られています。特に日本では、湿気の多い環境がシロアリの繁殖を助け、木造住宅を中心に多くの被害が報告されています。シロアリの侵入経路を把握し、適切な対策を講じることが、シロアリ予防のポイントです。

当記事では、シロアリの侵入経路、被害を受けやすい家の特徴、そして自分でできる予防対策について詳しく解説します。シロアリ被害を防ぎ、安心して暮らせる住環境を維持するための知識を身につけましょう。

シロアリはどこから侵入する?

シロアリが家に侵入するときは、一般的に「蟻道」を使います。

蟻道とは、シロアリの移動ルートに沿って伸びるトンネル状の通路のことです。

シロアリは光や乾燥、空気の流れを嫌うため、地表や建物の表面に出て移動することはほとんどありません。暗く湿った地中の巣から、蟻道を伸ばして建物の内部にまで侵入してシロアリ被害を発生させます。

シロアリの蟻道が作られやすい主な場所は、湿気の多い浴室や洗面脱衣所、木製のドア枠などです。玄関周りは、雨などの跳ね返りがあり濡れやすい状況や庇の雨水処理がうまくいかず濡れやすい状況に陥っていると、蟻道が作られやすい傾向にあります。また、建物の基礎立ち上がり部分や基礎とモルタル・タイルの隙間、断熱材で被覆された配管といった通常目にする機会がない場所にも蟻道は作られます。

また、アメリカカンザイシロアリという外来種の場合は、蟻道ではなく羽アリが飛行してきて屋内に侵入するケースもある点に注意してください。シロアリの羽アリは繁殖期に飛び立ち、近隣の被害住宅や庭などから屋内に侵入して被害を広げます。

シロアリ対策が必要な家

日本ではシロアリ被害がさまざまな家で発生しています。木造住宅はもちろん、RC造や鉄骨造の家もシロアリ対策を行うことが大切です。

木造住宅とRC造・鉄骨造のそれぞれについて、シロアリ対策が必要な理由を解説します。

木造住宅

木造住宅は、土台・柱・梁・壁材といった建物の骨格部分に木材を使用しています。シロアリは木材を栄養源としているため、木造住宅は特にシロアリ対策が必要です。

建物の底面全体がコンクリートで覆われているベタ基礎構造の家であっても、シロアリ被害が発生する可能性はあります。シロアリは基礎コンクリートのわずかな隙間からでも屋内に侵入できるためです。

木造住宅では、土壌に近い土台や柱からシロアリ被害に遭うことが多い傾向にあります。シロアリ被害は家の資産価値を低下させるだけでなく、耐震性などが低下し、災害時は命にかかわる危険性もあるため注意してください。

たとえば、阪神・淡路大震災では、倒壊した住宅の約80%がシロアリ・腐朽による被害を受けていたと日本建築学会近畿支部編「兵庫県南部地震木造建築物の被害」で発表されています。その一方、シロアリ・腐朽による被害が認められなかった住宅では倒壊率が40%未満と発表されています。

RC造・鉄骨造

RC造は建物の骨格部分に鉄筋コンクリートを使用した家であり、鉄骨造は建物の骨格部分に鉄骨を使用した家のことです。

シロアリは鉄筋コンクリートや鉄骨を食べはしないものの、RC造・鉄骨造の家であってもシロアリ被害に遭う可能性があります。外壁下地材などに使用されている木材を狙って、わずかな隙間からシロアリが侵入してくるためです。

たとえば、築25年の木造と鉄筋造の住宅では、外壁下地材から侵入し、1階の梁を食害し2階にまでシロアリ被害が発生していた例もあります。

RC造・鉄骨造もシロアリ被害を防ぐために、シロアリ対策が必要です。

シロアリ被害を防ぐための対策

一般的に、新築住宅は施工時に防蟻処理がされています。

しかし、一般的に使用されている農薬系の薬剤の効果は永続するわけではありません。農薬系の薬剤は時間が経つと揮発・分解し5年程度で効果が失われるため、新築から5年以上が経つ家は、シロアリ予防対策を講じる必要があるでしょう。また、「エコボロン」のようなホウ酸系薬剤であれば効果は長期間持続しますが、断熱材や未処理木材は被害にあう可能性があるため、定期的な点検メンテナンスが推奨されます。

以下では、シロアリ被害を防ぐために自分でもできる5つの対策方法を解説します。

定期的な点検を行う

シロアリ被害を防ぐためには、家にシロアリが侵入していないかをチェックする必要があります。定期的な点検を行って、シロアリの侵入・被害をなるべく早く発見しましょう。

点検の際は、下記のポイントをチェックしてください。

  • 床や柱の一部が柔らかくなっていないか
  • 家の周囲や屋内に蟻道が見られないか
  • 床下からカビのにおいがしないか
  • 自宅周辺で羽アリが飛んでいないか

また、家に床下点検口がある場合は、床下の状態を確認することもおすすめです。ただし、シロアリの蟻道を見つけるのは大変なので、床下の確認は専門家に依頼しましょう。

外壁沿いに物を置かない

家の外周部に物が置かれている場合、基礎の立ち上がり部分が暗く風通しが悪くなって、シロアリの好む環境になります。普段から人目に触れない場所は蟻道の発見も遅れるため、外壁沿いに物を置かないようにしましょう。

外壁沿いを歩いたときに、基礎までしっかりと見えるように空間を開けておくことで、シロアリの侵入を防ぎやすくなります。

家の周囲の木材を減らす

家の周囲に木材がある場合は、撤去・除去などをしてなるべく数を減らすことが大切です。シロアリは木材を食べるため、家の周囲に木材があるとシロアリ被害に遭い、やがては家にも侵入する可能性があります。

生け垣などを固定している木の杭や庭に放置している廃材、切り株や枯れた木などがシロアリの被害に遭いやすい木材です。木の杭や廃材は撤去・処分をして、切り株や枯れた木は掘り起こすなどして除去しましょう。個人での撤去・除去が難しい場合は専門業者への依頼がおすすめです。

家の周囲の木材を撤去・除去することでシロアリのエサがなくなり、家にも侵入しにくくなります。

床下の風通しを良くする

シロアリは一般的に基礎を伝わって上ってくるように家へと侵入するため、基礎周りの風通しを良くしてシロアリが嫌う環境にすることが大切です。

また、床下では基礎以外の場所、コンクリートや木材に沿っていない場所に空中蟻道ができる場合もあります。シロアリは視力がなく、近くに基礎や柱があっても気づかないまま蟻道を作り始め、空中蟻道を形成します。空中蟻道を防ぐためにも、床下の風通しは重要です。

基礎周りの風通しを良くするには、住宅の外壁沿いに物を置かないことはもちろん、基礎の換気口の周辺に物を置かないようにしましょう。

基礎の換気口は外壁の立ち上がり部分に設けられていて、基礎内部の換気を良くする役割がある設備です。基礎の換気口の周囲に物が置かれている場合、基礎内部に湿気が籠りやすくなって、シロアリが侵入する可能性が高まります。

また、基礎の換気口の周辺に植物が生い茂っている場合も、基礎内部の通気性が悪くなります。換気口周りの植物は定期的に刈り取ったほうがよいでしょう。

水漏れ対策を行う

家の骨格部分である土台・柱・梁・壁材が湿気を含むと、シロアリが好む状態となります。室内で水漏れや雨漏りがある場合は、早期に対応しましょう。天井から水が滴っていたり、天井やクロスにシミが発生していると水漏れ・雨漏りのサインです。

濡れた木は腐朽菌が発生し腐るだけでなく、シロアリも寄せ付けます。そのため、水漏れや雨漏りを放置するとシロアリ被害を拡大させるおそれがあります。

シロアリ対策はプロへの相談が必要!

シロアリの駆除・予防を自力で行うことは難しく、巣ごと駆除しなければ何度でもシロアリ被害が再発してしまいます。

自宅のシロアリ被害や疑わしい異常を見つけたときは、殺虫剤をかけてシロアリを殺すのではなく、すぐにプロのシロアリ駆除業者に相談しましょう。

プロによるシロアリの駆除・予防では、まずは家の床下に入ってシロアリ被害を確認し、侵入経路の調査を行います。そして被害に遭っている木材への薬剤注入と、被害がない木材への薬剤散布をする木部処理を行います。

さらにシロアリの巣がある土壌全体にも薬剤を散布して、シロアリの巣の駆除ができれば作業は完了です。駆除後は定期点検とシロアリ予防処理も行います。

なお、シロアリ予防剤としても農薬系薬剤が使われることが多いですが、農薬系薬剤には成分の揮発・分解による予防効果の低下や、シックハウス症候群が懸念されることが問題点です。

シロアリは駆除で終わるのではなく、予防をすることも大切です。シロアリ対策には、成分の揮発・分解がなく、効果が長持ちするホウ酸系のエコボロンが適しています。

まとめ

シロアリ被害を防ぐには、定期的な点検や適切な対策が不可欠です。特に日本の湿気の多い環境では、シロアリの活動が活発化しやすいため、家の構造や素材にかかわらず、しっかりとした予防策を講じることが重要です。木造住宅だけでなく、RC造や鉄骨造の家でも被害を受ける可能性があるので、普段からシロアリの侵入経路や活動状況に注意を払いましょう。

シロアリ対策には、木部処理と土壌処理の2つの処理が理想的です。木部処理は、持続期間が長期で見込め、安全性の高いホウ酸を有効成分にしたエコボロンによる予防処理が有効です。また、土壌処理は、食毒性で巣全体に影響を与えられるアルトリセットが有効です。Wの効果でシロアリ被害から住宅を守りましょう。

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