東京の銘酒「多満自慢(たまじまん)」
蔵元は、文久3年(1863年)からの歴史を持つ老舗「石川酒造」
その敷地内に一歩足を踏み入れると、タイムスリップしたかのような景色が広がります。
明治14年に築造され屋根には約300坪もの瓦が敷き詰められた本蔵、明治30年の土蔵造りの新蔵、 230年前に建てられた長屋門、百余年の歴史を持つ木造の向蔵ビール工房などの歴史ある日本建築が並び、 そのほとんどが国登録有形文化財です。
良いお酒を造るためには清浄な水と空気が必要です。 石川酒造では日本酒の味と香りを左右する水に、かつては多摩川水系の水を活用していたそうで、 現在は地下150メートルから汲み上げた地下水を利用しているとのこと。
水や空気といった環境を大切にする酒造業ですから、一般的な防腐防蟻剤を使うことはできません。 農薬や、それを溶かしている有機溶剤などは空気や土壌を汚してしまいます。 化学物質が原因でお酒を醗酵させる酵母菌が死んでしまったりしたら、一大事です。
そこで、揮発・蒸発することがなく、空気も土壌も汚染する心配のないエコボロンPROの出番となったわけです。 今回は、約120年の歴史を持つ本蔵(国登録有形文化財)に、エコボロンPROを使った木材保存処理を実施することになりました。
幅25.2m、高さ13.25m、奥行28mという大きな本蔵を支える太い柱と梁。並んだお酒の仕込樽をよけながら、 エコボロンPROを一本一本丁寧にハケ塗りし、必要な箇所にはDOT.45を穿孔注入しました。