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近年増加している!アメリカカンザイシロアリとは?

アメリカカンザイシロアリの生態について

NHKのクローズアップ現代でアメリカカンザイシロアリの特集が放映され、その翌日から、弊社にもアメリカカンザイシロアリに関する問い合わせが相次ぎました。まずは、アメリカカンザイシロアリ生態についてご紹介します。

アメリカカンザイシロアリの特徴

アメリカカンザイシロアリ
アメリカカンザイシロアリ
(乾材シロアリ)

アメリカカンザイシロアリは、乾いた木材中の僅かな水分で生育できるシロアリです。 元々日本には居なかった種なのですが、木材や家具の輸入によって運び込まれたようです。

土の中に巣をつくるヤマトシロアリやイエシロアリと違って、加害した木の中に巣(孔道)をつくり、 蟻道や蟻土を作りません。また、温度変化や環境湿度の影響を受けにくいとされています。

アメリカカンザイシロアリの被害

加害は建物下部材だけでなく、小屋組材までおよびますので、建物全体に被害が及びます。 巣(コロニー)の周辺は空洞になってしまいますので、被害箇所によっては、耐震強度が著しく低下する可能性があります。 米国・カリフォルニア州では中程度の地震で倒壊した例があるようです。

ヤマトシロアリやイエシロアリと比較すると食害の進行が遅く、住宅にアメリカカンザイシロアリが侵入してから被害の兆候が現れるまでに 数年かかるといわれます。早期発見が難しく、駆除法が確立されていない上に再発率も高いため、 被害は広がりやすいといえます。

どんな格好をしているか

羽アリ(有翅虫)の体長は6-8mm程度で頭部は赤褐色、他は黒褐色。 動きは非常に敏速で、暖かい日に少数で飛び立ちます。 体色が似ていることから、日中に群飛するヤマトシロアリと誤認されやすいので注意が必要です。

兵蟻は8-11mm程度、頭部は濃褐色で頭部前方は黒色です。

職蟻は全体が乳白色で、ほぼ円筒状です。ヤマトシロアリやイエシロアリよりも大きく、ずんぐりしています。 容易に他の階級に分化する能力をった疑職蟻で、数頭でコロニーを再生できます。

アメリカカンザイシロアリの繁殖速度

羽アリがつがいとなって始まった巣(コロニー)の成長は、 数ヶ月のちに2~5頭の職蟻が孵化し、2年目でも1頭の兵蟻と12~20頭程度の職蟻がいるに過ぎません。 しかし、5年目には約800頭、10年目で1800頭、15年目で2600頭と推定されています。 兵蟻の割合は、5年目から4~5%で一定となります。

また、数百~数千頭で1つの巣(コロニー)を作っているようです。1軒の建物に1つの巣(コロニー)というわけでなく、たくさんの巣(コロニー)が1軒の家の中でバラバラに点在していることが多く、発見と駆除を難しくしています。

アメリカカンザイシロアリの侵入経路と発見法

巣が充実してくると、アメリカカンザイシロアリも他のシロアリと同様に 羽アリが飛び立ち、雄と雌がつがいになって新たな巣を作ります。 次に羽アリの巣立ちと侵入経路、被害発見の手掛かりについてご紹介します。

羽アリの巣立ち

木の表面に穴を開けて羽アリが飛び立ちます。 羽アリの飛び出す時期は、所によって、条件によって、集団によってまちまちです。 春夏秋冬どの時期でも、割合温暖な日に少数ずつ飛び出しますが、主に7月~9月の昼間に目立ちます。

灯火には集まりません。同一家屋内か、近隣に順次拡大します。 飛ぶ距離は一度に2~3メートルしか飛ばないものが多いと言います。

住宅への侵入経路

羽アリの飛来か被害材の搬入によって侵入します。 他の木(軒下、木製ドアなど外部に露出した木部)へ直接飛び渡ったり、 基礎の換気口から侵入することもあります。家具の木部にコロニー(固体群)を作ったまま運ばれてくることもあります。

羽アリは雌雄が対となり、翅を落として材の表面に穿孔し、1センチほどの深さに洋ナシ状の王室をつくります。 穿孔は早材部や割れ目、窪みなどから行うことが多いようです。穿入孔は木片と排出物で塞いでしまうため、 侵入時の食害痕は発見が難しいようです。

被害を発見するには

粒状の乾いた糞(拡大鏡で見ると均一な俵状)が発見の決め手です。 糞は乾燥した砂粒状で、長径約1ミリ、黄色から褐色です。 糞が見られたら、どこかに(多くの場合その直上)に生息部位があると考えてください。 軽く叩いてみて糞が落ちるような材木が生息部です。

ごく初期には糞は発見されず、侵入部位には柔らかで軽く、しかも新鮮な木粉(木屑)の小さなまとまりが見られます。 木粉や羽根が落下している場合は、近所から飛んできて間のない状態と思われます。

コロニーを発見する探知機としては、聴診器や超音波探知機、マイクロ波探知機などがあります。

アメリカカンザイシロアリの対策について

最後にアメリカカンザイシロアリの対策についてご紹介します。

カンザイシロアリの故郷では

カンザイシロアリの故郷である本場アメリカでは、燻蒸処理とホウ酸塩処理が一般的な対策方法として用いられています。

燻蒸処理は家をシートで覆って家全体を猛毒ガスで処理します。 強力な駆除効果がある一方で、猛毒が残留してしまったら生命に関わりますから、 ごく短期間で分解され、持続性がほとんどありません。近所にカンザイシロアリが生息していれば再発の可能性があります。

ホウ酸塩処理は短期間での駆除効果は期待できませんが、 分解されることなくゆっくりと木材内に浸透拡散し、長期間に渡って被害を抑制してくれます。 新築時に家全体をホウ酸塩処理すれば、床下から屋根裏まで被害を抑える事ができるので安心です。

エコパウダー製品とカンザイシロアリ

カンザイシロアリに対して弊社製品(エコパウダーBX、エコボロンPRO、エコボロン木部用)は有効です。 ホウ酸塩が主原料ですから、地下シロアリと同様に、処理木材はカンザイシロアリにとって毒物になります。

特にエコボロンシリーズは無色で臭いが無いため居住者に負担とならず、家中いたる所に被害を出すカンザイシロアリ対策に適しています。 地下シロアリ(ヤマトシロアリ・イエシロアリ)には防蟻防腐塗料エコパウダーBXを使い、 接合部など細かい部分と住宅上部分はエコボロンで処理するという方法もおすすめです。

駆除より予防を

シロアリ被害は住宅の耐震強度と資産価値の減少を招きます。 被害が出てからの駆除で対処していくのも一つの方法ですが、シロアリの心配をせず安心して暮らしていくためには、 最初からしっかり予防措置を取っておくべきです。さらに万が一の場合のメンテナンスまで考えた家なら、万全と言えるでしょう。

ホウ酸処理量について

予防性能は、処理量が多いほど高くなります!
十分な量が処理されていない場合、シロアリが死ぬまでに期間が長くかかったり、処理部分を食べられたりする事があります。短期間でシロアリに死んでもらい、食害を最小限に抑えるには、十分な濃度のホウ酸を処理していなければいけません。この点弊社製品は、ホウ酸に強いとされるイエシロアリに対して十分な効果を発揮出来るホウ酸量を基準とし、さらに安全を考えて施工面積を算出しています。

さて、問題のアメリカカンザイシロアリですが、この種のシロアリは研究データが特に少なく、安全なホウ酸濃度が具体的にどの程度の濃度なのか明確になっていないのが現状です。アメリカカンザイシロアリはイエシロアリよりもホウ酸に弱いという説もありますが、安全濃度がはっきりと根拠付けられるまでの間、弊社では暫定的に、イエシロアリ予防に必要な施工量と同量の処理を推奨しています。

多量での処理になりますが、ホウ酸は濃度が性能に直結するということ、安易な低濃度処理は危険だということ、ご理解頂けたらと思います。

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