シロアリによって家は倒壊する?被害に遭いやすい家の特徴も解説

シロアリ被害は、家の土台や柱を内部から空洞化させ、建物の構造的な強度を著しく低下させます。これにより、地震や台風などの自然災害が発生した際に、家が倒壊するリスクが大幅に高まります。実際、過去の地震で倒壊した家の多くにシロアリ被害が見られたという報告があります。

当記事では、シロアリ被害の実態や、新築・築浅の家がシロアリ被害に遭いやすくなる原因、効果的な予防方法について詳しく解説します。シロアリの脅威から家を守り、長く安心して暮らせる住まいを維持するための知識として、ぜひ参考にしてください。

シロアリ被害に遭うと木造の家は倒壊する?

写真提供:神戸市

シロアリ被害を受けた木造住宅は、地震などの揺れによって倒壊するリスクが高まります。実際に1995年の阪神・淡路大震災で倒壊した多くの木造住宅では、シロアリや腐朽菌の被害が耐震性能低下の一因となっていたことが、日本木材保存協会の調査によって明らかになりました。

報告によると、被災度が大きい住宅ほど腐朽やシロアリの被害状況が深刻で、被害の進行によって建物の耐震性能が著しく低下していたとされています。土台や柱などの木材の劣化により、構造体としての機能を果たせていなかった事例も多く見られました。シロアリ被害そのものが直接的な倒壊原因と断定はできないものの、地震時の被害を拡大させる要因になったと言えるでしょう。

出典:木材保存Vol.21-4(1995)「兵庫県南部震災による木造軸組住宅の被災調査」

震災調査に基づく蟻害と全壊率の関係

耐震性への影響を裏付ける、具体的なデータを見ていきましょう。ここでは、阪神・淡路大震災における蟻害や腐朽の有無と全壊率の関係性に注目します。

淡路島・北淡町の調査では、断層からの距離や地盤の強さの違いもあるものの、蟻害や腐朽のある住宅のうち全壊が約76%、半壊が約10%、軽微・無被害が約14%でした。一方で、蟻害無しの住宅は、全壊が約38%、半壊が20%、軽微・無被害が約42%でした。この調査結果により、蟻害や腐朽のある住宅の全壊率は2倍程度あったことになります。

神戸市東灘区でも調査の結果、シロアリ被害を受けていた家屋の多くが全壊していました。漏水、雨漏り、結露などによる腐れ・シロアリ被害は、住宅の耐震性を下げ、地震時の倒壊リスクを大幅に高める危険な要素です。住宅の安全性を維持し家族の命を守るために、シロアリ対策は重要な位置づけにあると言えるでしょう。

出典:家屋害虫Vol,17,No、1,pp、70−78,1995年7月「兵庫県南部地震による木造家屋被害に対する蟻害・腐朽の影響」

新築・築浅の家がシロアリ被害に遭いやすくなる原因

新築や築浅の家でも、「新しいから安心」とは限りません。防蟻処理が十分でないことでシロアリ被害を受けるケースがあります。ここでは、新築・築浅の住宅がシロアリに狙われやすくなる主な原因について解説します。

防蟻剤を使用していない

防蟻処理とは、住宅の木材をシロアリなどの害虫から守るために行う処置のことです。湿度が高くシロアリの繁殖が活発な日本では、木材を多く使う建物に欠かせない対策と言えます。しかし、建築基準法では「地面から1m以内の柱や土台には防腐措置を行い、必要に応じてシロアリなどの虫による害を防ぐための措置を講じなければならない」と定められているだけで、防蟻剤の使用そのものが義務化されているわけではありません。

出典:e-Gov法令検索「建築基準法施行令」

しかし、大切な家を長持ちさせるためには、建築基準法の最低限の規定を超えた、積極的なシロアリ対策が不可欠です。シロアリ対策には、建物の構造や環境を工夫する物理的な方法と、防蟻剤を活用する方法があります。

物理的なシロアリ対策では、まず床下の地面をコンクリートで覆うベタ基礎ベタ基礎について詳しくはこちら)があり、シロアリの侵入経路を減らすことができます。

また、土台と基礎の間に挟む基礎パッキンにもシロアリの侵入経路を減らす効果があります。通気パッキンの場合は床下の風通しを良くして湿気を逃がし、シロアリが嫌う乾燥した環境を保つことで発生を抑制します。

一方で、基礎断熱工法の住宅の場合には、通気パッキンではなく気密パッキンが使用されています。これは外気を遮断して断熱性を高めるためのものですが、物理的に隙間をなくすことで、結果としてシロアリの侵入経路を塞ぐ効果も期待できます。

これらの物理的なシロアリ対策がされている住宅では、防蟻剤によるシロアリ予防処理(木部処理、土壌処理)が省略されてしまうことがありますが、あの手この手で侵入してくるのがシロアリの怖さです。大切な新築住宅を守るためには、防蟻剤による予防処理までしておくと安心です。

効果期間が短い防蟻剤を使用している

防蟻剤による予防処理は一度行えばずっと安心というものではなく、使用する薬剤によって効果の持続期間に大きな差があります。国内で一般的に使われているネオニコチノイド系や合成ピレスロイド系の農薬系薬剤は効果が約5年程度とされていて、5年を過ぎると効果が失われて無防備な状態になってしまいます。家が建った後は壁の内側の柱や構造材といった木部は、再施工することができません。そのため木部に使う防蟻剤は『効果がどれだけ続くか?』をよく検討する必要があります。

例えばホウ素系防腐防蟻剤のエコボロンは揮発や分解が起こらず木材内部に浸透するため、効果が長期間持続します。農薬系薬剤と異なり室内の空気を一切汚さない点も魅力です。長く安心して暮らすために、どのような防蟻剤を使うのか一度工務店に確認してみるとよいでしょう。

また、防蟻剤によるシロアリ予防処理には木部処理だけでなく土壌処理という処理方法があり、家全体を守るためには木部処理と土壌処理をセットで行うのが効果的です。土壌処理は土壌表面に薬剤を散布してシロアリの侵入経路を遮断する目的で行われます。

最近は土壌処理用の防蟻剤でも、効果が5年以上長持ちするものが開発されており、例えばアルトリセット200SC(詳しくはこちら)という薬剤は8年間の野外試験結果が公表されており、10年間程度は効果が期待できます。防蟻剤を使用する場合は、木部処理用も土壌処理用も、効果が長持ちするものがおすすめです。

入居後にやるべきシロアリ予防対策について

シロアリ被害は、被害箇所によっては建物の耐震性能を低下させ、家が倒壊するリスクに繋がります。そのため、被害が出る前にシロアリ予防対策を行うことが何より重要です。ここでは、日常で実践できる対処法や、効果的な防蟻処理方法について解説します。

シロアリの餌になる木材や段ボール類を放置しない

シロアリは木材に含まれる「セルロース」という成分を栄養源としています。セルロースは紙や布などにも多く含まれているため、木材だけでなく、段ボールや新聞紙、本、畳、衣類などもシロアリの餌となります。

また、シロアリは湿気を好む性質があります。家の周囲などに放置した段ボールが雨で湿気を含むと、シロアリを呼び寄せる原因になりかねません。シロアリは餌場から住宅内部へも侵入するため、段ボールや木材などを屋外や床下に置きっぱなしにしないことが予防の基本です。

基礎の外周に物を置かない

シロアリ被害を未然に防ぐためには、建物の基礎外周を常にすっきりさせ、基礎の表面をいつでも目視できる状態にしておくことが大切です。

基礎の周りに荷物や古材、プランターなどを放置していると、それらが死角となってシロアリの侵入サインである「蟻道(ぎどう)」を見落とす原因になります。シロアリは光や乾燥を嫌うため、外気に触れる場所では土や排泄物で固めたトンネル状の蟻道を作って移動します。

基礎周りを整理整頓しておくことで、この蟻道の早期発見につながるだけでなく、風通しが良くなりシロアリが寄り付きにくい環境を作れます。家の周りを一周確認し、「シロアリの通り道を作らせない、あるいは隠させない」工夫を心がけましょう。

防蟻剤の再処理で「無防備な期間」を作らない

防蟻剤による予防処理の効果が切れるタイミングで再処理を行うことで、シロアリ予防効果を維持することができます。定期的な防蟻処理を行うことで、シロアリに対して無防備な状態を作らないことが、最も効果的な対策になります。

ただし、5年しか効果がない防蟻剤を使用して5年毎に再処理していくのは、経済的とはいえません。効果が長期持続する上に安全性が高いホウ素系の防蟻剤のように、長持ちする防蟻剤があります。防蟻剤による処理を行う場合は、防蟻剤の種類や効果期間を確認することが大切です。

まとめ

大切な我が家の耐震性と安全性を長期にわたって維持するために、防蟻処理は欠かせない重要な要素です。木造住宅をシロアリ被害から守り、見えない部分の構造体の健全性を保つためには、家を建てるタイミングからしっかりと対策を施すことが何よりも重要になります。未来にわたる安心を守るため、新築時の予防措置を確実に行いましょう。

多くの農薬系薬剤は、約5年で効果が切れるため5年毎に床下の再施工が必要です。しかし、家が完成した後では、壁の内部や玄関の土間など、壁や床を剥がさない限り再施工できない場所が多くあります。つまり、新築時に完璧に処理しても、5年後には「再施工できない場所」が無防備になるという弱点が生じます。一方、ホウ素系薬剤は、揮発も分解もしないため効果が長期的に持続します。新築時に壁の中までしっかり施工しておけば木部の防蟻効果がずっと続くため、安心かつ経済的です。また、土壌処理用の防蟻剤の中にも効果が5年以上持続するアルトリセット200SCのような薬剤があります。防蟻剤による予防を行う場合は、安全性だけでなく、効果の持続性を確認することが大切です。

エコパウダーの「エコボロン」シリーズは、日本の多湿な気候に適したホウ素系防腐防蟻剤で、文化財にも採用される高い安全性と持続性が特徴です。また、土壌処理用の「アルトリセット200SC」をセットで施工する「eことアル工法」も人気です。(詳しくはこちら

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