東京都内の住宅街では、エリアによってシロアリが好む環境になっているところもあり、シロアリ被害を未然に防ぐためには定期的なメンテナンスやシロアリ予防が大切です。
当記事では、東京都におけるシロアリ事情や都内で確認されているシロアリの種類を解説するとともに、一例として東京都豊島区が公開しているシロアリ予防法を紹介します。
併せて、東京都におけるシロアリ予防事例なども紹介するので、シロアリ予防を考えている方は、ぜひ参考にしてください。
東京都は日本の首都にあたり、人口集中が社会問題化している都市です。東京都内の住宅街には定期点検やメンテナンスをしておらず、シロアリ被害を受けやすい状態の物件も多くあります。
東京都でシロアリの活動が活発化する時期は、繁殖期にあたる4月頃から11月頃です。4月中旬から5月頃は特に羽アリを見かける頻度も高く、シロアリ調査の依頼が集中します。住宅周辺を飛び回っていた羽アリがペアとなって新たな巣をつくると大量に繁殖するため、早急な対策が必要です。
シロアリに対して「自然が豊かな場所にいる害虫」といったイメージを持つ人が多いものの、都会にも生息できます。東京都心部の住宅街でシロアリが繁殖し、大きな被害を受ける可能性もあるため、危機感を持って対処しましょう。
東京都内では、ヤマトシロアリ・イエシロアリ・アメリカカンザイシロアリが確認されています。3種類のシロアリの生態や特徴は、以下の通りです。
ヤマトシロアリ | ヤマトシロアリは、東京都全域で発生しているシロアリです。ヤマトシロアリは水を運搬する能力が低いため、湿った木材の内部や水場近辺を好みます。 |
---|---|
イエシロアリ | イエシロアリは温暖な気候を好み、九州・四国地域で多く発生しているシロアリですが、近年は温暖化の影響により北限は関東に到達しています。イエシロアリは水を運搬する能力が高く、被害にあった場合には広範囲にわたる被害を受ける可能性があります。 |
アメリカカンザイシロアリ | アメリカカンザイシロアリは、江戸川区、中野区、東大和市などで確認されている外来種です。家具や木材の周辺に顆粒状の糞を発見した場合は、アメリカカンザイシロアリの発生を疑いましょう。 |
出典:豊島区「シロアリ」
ヤマトシロアリとイエシロアリは「地下シロアリ」に分類され、蟻道を作り、床下などに侵入する特徴を持ちます。アメリカカンザイシロアリは「乾材シロアリ」に分類され、乾燥した木材に入り込んで巣をつくることが特徴です。
シロアリ被害の多くは、見えない場所で進行します。広範囲にわたる被害を受けて大がかりなリフォームが必要になる事態を回避するためには、十分な予防対策を取りましょう。
東京都の世田谷区が推奨するシロアリ予防法は、以下です。
庭先などに放置した木材や廃材はシロアリの餌になりやすいため、早急に処分しましょう。新築住宅を購入した場合には通常、引き渡し後3か月、6か月、1年、3年などのタイミングで定期点検の連絡が届きます。シロアリは湿気を好むため、定期点検によって雨漏り・漏水を早期発見して対処し、シロアリ被害を予防しましょう。
本格的なシロアリ対策を行って住宅の寿命を伸ばしたい場合は、シロアリ駆除業者などの専門業者のサポートを受けましょう。以下では、シロアリ防除のプロに依頼した場合の対応事例と対策のポイントを紹介します。
外壁内部の柱に対しては建築後のシロアリ対策が困難なため、新築時の対策が重要です。板橋区の新築住宅の事例では、すべての構造木材に対してエコボロンを処理し、隙のない対策を行っています。
エコボロンの主成分は、木材腐朽菌やカビ菌の繁殖防止に役立つ「ホウ酸塩」です。新築時にエコボロンを施工すれば、構造木材の腐朽防止も図れます。
出典:株式会社エコボロン日榮「新築時にエコボロンでアメリカカンザイシロアリ対策を(アメリカカンザイシロアリ予防019)」
アメリカカンザイシロアリが一旦侵入してしまうと、完璧な駆除を行うことが困難です。文京区の新築住宅の事例では、すべての構造木材に対してエコボロンを処理して、アメリカカンザイシロアリ対策を行いました。
エコボロンは高濃度のホウ酸塩を木材内部に浸透させて、シロアリ被害を予防する仕組みです。エコボロンの安全性は複数の公的機関によって確認されているため、健康面にも配慮した対策を行えました。
出典:株式会社エコボロン日榮「浸透性の優れたエコボロンでアメリカカンザイシロアリ対策を(アメリカカンザイシロアリ予防018)」
シロアリ点検を受けると、想定外の場所で被害が見つかることもあります。調布市の既築住宅の事例では、ウッドテラスの枕木に被害の形跡があったため、アルトリセット200SCによる土壌処理を行いました。
アルトリセット200SCは、シロアリのアゴの筋肉を麻痺させて摂食を抑制し、飢死させる薬剤です。飢死するまでの期間に巣へ戻った個体は他の個体へと薬剤の有効成分を伝搬させるため、効率的なシロアリ駆除を図れます。
将来的なシロアリ被害が懸念される住宅では、シロアリが侵入しやすい場所へ予防用の薬剤を噴霧する対策方法がおすすめです。足立区の既築住宅の事例では、依頼者がウッドデッキの腐れに気づいたことをきっかけとしてエコボロンによる対策を受けました。
エコボロンには腐れの進行対策だけでなく、カビを抑制する働きも期待できます。ウッドデッキの周辺にはアルトリセット200SCによる土壌処理を行い、地上と地下の両面から対策を取りました。
エコボロンは効果が持続する防蟻剤ですが、木材にヒビ割れが発生したり、雨漏りや漏水によって濡れた場合のメンテナンスは必要です。万全の対策を取りたい場合は、建築を担当した工務店とも相談の上、定期点検や保証延長工事を検討すると安心です。
小金井市の既築木造住宅では、暖炉用の木材を室外で保管していることからシロアリ被害を懸念し、保証延長工事を受けました。床下にはエコボロンを処理、室外にはアルトリセット200SCによる土壌処理を受けて、より安全に生活できる環境を整備しています。
日野市の既築住宅の事例では、押し入れ横の柱が壊れたことでシロアリ被害に気づき、プロの対処を受けました。現地調査で被害状況の確認を受けた上でシロアリ駆除を実施し、今後の安心につなげています。
アルトリセット200SCでの駆除処理の4週間後には駆除完了を確認した上で被害の再発を防止するため、エコボロンの施工を受けました。エコボロンには木材の腐朽を防止する働きも期待されることから、住宅の劣化対策としても役立っています。
日本におけるシロアリ予防対策には、もともと農薬系薬剤が利用されていました。近年では、健康被害のリスクが低いホウ酸塩系の薬剤も多く利用されています。以下は、ホウ酸塩系と農薬系の主な違いです。
ホウ酸塩(エコボロン)と農薬系の違い
項目 | ホウ酸塩(エコボロン) | 農薬系 |
---|---|---|
主成分 | ホウ酸塩 |
|
作用 | 食毒性 | 神経毒性 |
特徴 |
|
|
ホウ酸塩系は安全性が高い・予防効果が長続きするなど、多くの強みを持つ薬剤です。ホウ酸塩系の薬剤「エコボロン」によるシロアリ対策を検討している場合には、エコパウダーにご相談ください。
また、シロアリ対策は、住宅木材・土壌の両方に対して行うことが効果的です。万全の対策でシロアリ被害を予防したい場合は、エコパウダーの「eことアル工法」も検討してください。
eことアル工法の詳細は、以下のページで確認できます。
東京都で確認されているシロアリの種類は、ヤマトシロアリ・イエシロアリ・アメリカカンザイシロアリの3種類です。どのシロアリが発生していたとしても、放置していると大きな被害につながるため、早急にプロのシロアリ駆除業者に依頼して対処しましょう。
また、駆除と併せて今後のシロアリ被害を未然に防ぐには、シロアリ予防の施工を依頼することをおすすめします。防蟻効果はもちろん腐朽菌・カビの抑制や安全性の高いエコボロンの施工に加えて、土壌への対策を講じれば、より高い予防効果が期待できるでしょう。